この記事でわかること
- バイク保険は自賠責だけでは不十分で、任意保険で補償を完全にすることが推奨される。
- 補償は賠償責任、傷害、車両保険分野と特約に分類され、それぞれ広範なカバーを提供。
- 弁護士費用、携行品、見舞金などの特約があり、保険加入時にチェックが必要。
- バイク保険は補償内容の選択で安全と経済性を確保できる。
バイク保険は本当に必要?まずは補償内容を知ろう!
バイクの乗車は自働車よりもリスクが高いと言われており、加害者側・被害者側のいずれになった場合でも重篤な後遺症が残される場合があります。
しかし、危険性も高いと周知されていながらもバイク保険への加入率はいまだに自動車保険よりも低いと言われており、多くのライダーが交通事故後に後悔をするケースが後を絶ちません。
そこで、この記事ではバイク保険の補償内容にググッと迫ります。
ぜひ加入をご検討されている方も、そうではない方も、バイク保険の魅力的な補償について触れてみてください。
どうしてバイク保険の加入は伸び悩んでいるの?
バイク保険は加入率が低い、と言われています。
その背景には次に挙げる3つのような理由が考えられています。
①レジャーシーンでしか乗車しない
バイクは趣味で所有しており、通勤や通学など日常的には乗車をしていない方も多くおられます。
すると、「たまにしか乗らないから」という理由で任意保険への加入をしていない場合が多いのです。
②ファミリーバイク特約がある
自動車保険に加入している場合、ファミリーバイク特約という特約があります。
この特約は125cc以下のバイクを補償するものです。
バイクの事故で発生してしまったケガ、損害賠償責任についてカバーしており、ファミリーバイク特約があるからバイク保険に入らないケースもあります。
③保険料負担が気になる
バイクを所有している方の中には、自働車よりもバイクの維持コストの安さに惹かれているケースがあります。
一部のバイクは車検も不要であり、維持が安いためです。
そのため、バイク保険についても自賠責保険の加入のみに留めており保険料負担をしたくないと考える傾向があるのです。
バイク保険の補償内容をもっと詳しく知ろう!
バイク保険は前記のような理由で加入率が低い傾向にありますが、自賠責保険の補償内容では不十分です。
バイク保険にも加入しておくことでようやく補償がフルカバー状態になると言っても過言ではありません。
では、バイク保険の補償内容とは一体どのようなものなのでしょうか。
自賠責保険では補償できない範囲をしっかりとカバー
バイク保険では任意保険であるという強みを生かして、充実した補償が用意されています。
例として挙げると以下5つのとおりです。
1.対人、対物の補償は共に無制限でカバーできる。自賠責保険はケガや死亡といった人身分野の補償しかできず、補償額にも限度額がある。
2.バイク保険は自賠責保険では支払われない物損分野もカバーできる。
3.自賠責保険では加入者側のケガや死亡、物損については一切補償されないが、バイク保険ならすべてカバーできる。
4.自賠責保険では過失割合や相手方保険会社との示談交渉のサービスはないが、バイク保険にはある。
5. 魅力的な特約(オプション)や無料(※)のロードサービスを使用できる。こうしたサービスは自賠責保険にはない。
いかがでしょうか、自賠責保険とは異なり任意のバイク保険には自分自身をカバーできる補償も充実しています。
また、交通事故の際に補償の焦点となりやすい対人・対物については自賠責保険の補償を超えるような内容については任意保険がカバーできます。
バイク保険の補償内容にクローズアップ
では、ここからはバイク保険の補償内容について具体的に解説していきます。
バイク保険の補償は以下の3つの柱で語ることができます。
1.賠償責任分野 (交通事故の相手への補償)
自動車保険でもおなじみですが、自動車保険で最も補償範囲が広いと言えるのは「賠償責任分野」です。
よく対人・対物という専門用語で言われることがありますが、交通事故の際には人や物に対して高額の賠償責任が発生する可能性があります。
例として、過去には次のような判例があります。
・開業の眼科医が死亡した事例 賠償金額は5億円にも上る判決に
・バイクの運転中による会社員の事故 後遺障害等級1級3号の事案は3億円以上
このように日本では交通事故の事案によっては高額の賠償金の支払いが判決で決定されることがあります。
上記は人身分野の高額支払いの判決ですが、自賠責保険では到底カバーしきれないため、万が一自分が加害者側になることも想定すると、任意保険は必須なのです。
2.傷害保険分野 (自身や搭乗者のケガや死亡への補償)
バイク保険の補償には「傷害保険分野」と呼ばれるものもあります。
これは人身傷害保険と搭乗者傷害保険に関する内容であり、人への補償です。
自賠責保険は加入者自身のケガについては補償がないため、バイク保険ではこの傷害保険分野において補償をカバーしています。
また、バイク保険については無保険車との接触事故や自損事故に対するケガの支払いに関しても補償を行っており、この部分の補償はしっかりと拡充しておくことが自身の身をまもる方法と言えるでしょう。
バイク保険の加入に関しては対人・対物である賠償責任保険分野のみにカバーを止め、保険料を安くしようとする方もいます。
しかし、無保険車も増加傾向にある今だからこそ、傷害保険分野は加入しておくことがおすすめです。
3.車両保険分野
自賠責保険は被害者の人身分野をカバーする保険ですから、バイク事故における自身のバイクの損壊に関しても補償はありません。車両保険に関する分野は自賠責では全くカバーがなされない車両部分を補償します。但し、古いバイクも多く流通している今、バイクの車体によっては車両保険への加入ができない場合もあります。車両保険の引き受けに関しては加入前に保険会社側に確認されることがおすすめです。
お得感満載の特約とは
バイク保険の優れた補償内容はこれだけに留まりません。
特約(オプション)を設定することでさらに補償内容を充実させることができるのです。
では、特約にはどんな内容が挙げられるでしょうか。
1.弁護士費用特約
交通事故後の対応に関しては任意保険会社側が治療の打ち切りを求めてくる場合があります。
また、過失割合の判定が難しい事案は交渉が難航することもあります。
弁護士費用特約はこんな時に利用できるもので、加入者に代わって弁護士が示談交渉や訴訟、後遺障害等級申請なども行います。
弁護士費用特約は人気が上昇しており、バイク保険の加入時にはチェックがおすすめです。
もらい事故のようなケースでの利用が広告されていることも多いですが、示談書のチェック程度でも特約を利用することができます。
2.携行品特約
バイクに関しては携行品特約も付帯がおすすめです。
バイク乗車中の事故でスマホを壊してしまった場合などは、携行品特約があれば補償範囲内で支払いが行われます。
なお、地震や津波による紛失は対象外です。(現金などの対象外となる携行品もあります)
3.見舞金特約
バイク保険の種類によっては、見舞金特約があります。
被保険者に対して1級から3級の後遺障害等級が認定された場合(後遺症が重い方)には見舞金という形で保険金が支払われます。
限度額は100万としていることが一般的ですが、人身傷害保険部分をさらにパワーアップさせておける特約です。
この他にも他者運転特約や代車等諸費用特約など、魅力的な特約もあります。
特約は保険会社によって補償内容や名称が異なっているので、加入前に特約についてもチェックしましょう。
まとめ
この記事ではバイク保険の補償内容に関して詳しく解説しました。
補償内容は基礎となる賠償責任保険・傷害保険・人身傷害保険分野の3本の柱に加えて特約で補償をさらに増やすことができます。
充実の補償で安全にバイクの運転を楽しみましょう。