バイクを運転する人にとって、ガス欠は避けて通れないトラブルの一つです。道中でバイクがガス欠に陥った場合、どうすればよいのでしょうか。この記事では、バイクがガス欠になった際の対処法について詳しく解説していきます。
この記事の要約
- バイクがガス欠になったら、まず安全な場所へ移動する。
- ガソリンスタンドが近ければバイクを押して移動、遠ければスタンドへ連絡。
- 友人にガソリンの携行缶で助けを頼むのも一案。
- ガス欠原因が他の問題(キャップ詰まりや燃料ポンプ故障)も考慮する。
ガス欠?と思ったらまずはバイクを安全な場所へ
ガス欠の際は、他の車やバイクと接触せず、事故を回避するために、まずは安全な場所にバイクを移動させましょう。自身の安全が最優先であるため、周囲に注意しつつ、速やかに安全な場所に避難しましょう。
ガソリンスタンドへ移動
一般の道路で燃料切れになった場合は、すみやかにバイクと一緒に路側帯に移動して、巻き込み事故などの二次被害を防ぎましょう。もし周辺にガソリンスタンドがあって、バイクを押していくことができる場合は、安全に気を付けながらガソリンスタンドに向かいます。
ガソリンスタンドが近くにない場合
バイクを押しても届かない距離にガソリンスタンドがない場合は、最寄りのガソリンスタンドに問い合わせると、ガソリンを届けてもらえる可能性があります。スタッフが不在のセルフ式ガソリンスタンドでは、出張サービスが難しいこともありますが、フルサービスの場合は、出張して給油してもらえることもあります。近くのガソリンスタンドを検索して、連絡し、交渉してみましょう。
友人などに連絡を取る
万が一に備え、周囲に身近な頼れる方がいる場合は、迅速な救援要請を検討してみる価値があります。ガソリンスタンドから燃料を調達し、バイクまでの配達をお願いする際には、ガソリン専用の携行缶を使用するように留意してください。
灯油を保管するポリタンクにガソリンを入れることは絶対に避け、携行缶に燃料を詰める際には、セルフスタンドであってもスタッフにお任せするようにしてください。
ガス欠ではない原因も解説
ここからはガス欠ではない原因について解説していきます。
ガソリンコックをONにしている
インジェクション搭載のオートバイには備わっておらず、キャブレター仕様の車両には燃料切り替え弁が設けられています。走行中にガソリン残量が不足した際に切り替えるとリザーブ(予備タンク)へ切り替わり、約数〜10キロの走行が可能となります。
従来の車種では「ON/OFF」の2段階切り替えが一般的であり、新しいモデルでは「ON・RES・PRI」の3段階切り替えが採用され、RES位置がリザーブとなります。
液体ガスケットの異常
燃料系のパーツを外して再取り付けする際、キャブレターの液体ガスケットがはみ出ていると、燃料の流れが阻害されてガス欠症状を引き起こす可能性があります。燃料残量が多い時は、燃料が十分に供給されるためガス欠が起こりにくいですが、残量が少なくなると燃料供給も弱まり、ガス欠症状が発生しやすくなります。
燃料タンクやキャブレターを取り外して再装着する際には、キャブレターの液体ガスケットが適切な位置にあるかを確認しましょう。
ホースの取り回しによるもの
ガソリンをキャブレターに送る際のホースの取り回し方によって、ガス欠症状が引き起こされる可能性があります。 ガソリンがキャブにスムーズに流れるように、ホースを上から下に向かせて重力に沿わせましょう。
燃料キャップの空気穴詰まり
燃料キャップを新しいものに交換する際には、注意が必要です。なぜなら、空気穴が閉じてしまっていると、ガソリンがスムーズに送られず、ガス欠の症状が発生する可能性があるからです。
新しい燃料キャップを取り付ける際には、必ず空気穴が正しく開いているかを確認しましょう。空気穴が塞がれていると、エンジンに必要な燃料が供給されず、エンストの原因にもなりかねません。
バイクや車の燃料タンクキャップは、日常のメンテナンスの中でも重要な部分です。燃料キャップ周辺からガソリン臭がする場合は、パッキンの交換や清掃も欠かせません。エア抜き穴の掃除も重要です。エア抜き穴が詰まっていると、燃料の供給がスムーズでなくなり、エンジンの調子にも影響を与える可能性があります。
燃料ポンプの故障
燃料ポンプが正常に働かないと、燃料をタンクから効果的に供給できず、燃料切れの症状が生じる可能性があります。燃料ポンプの作動音が聞こえるにも関わらずエンジンが始動しない場合、燃料ポンプの故障が考えられます。
故障の有無を確定するのは難しく、万一故障が確認された場合は、交換修理が必要となりますので、燃料ポンプの故障が疑われる場合は、お近くのショップに点検や修理のご依頼をおすすめします。
ガス欠を起こしてしまった際の対処法
ここからはガス欠を起こしてしまった時の対処法について紹介していきます。
近くのガソリンスタンドまでバイクを押して歩く
ガソリン不足時、周辺にガソリン補給所がある場合、バイクを押して補給所まで向かいましょう。携帯電話やカーナビを使用できる場合は、付近のガソリンスタンドを検索して現在地との距離を確認し、押し行けるかどうかを判断します。
バイクの重さが軽い方が押しやすいですが、ハンドルの位置も影響するため、アップハンドルの方が押しやすいです。
近くのガソリンスタンドから携行缶を借りる
バイクのガソリンが底を尽きてしまい、ガソリンスタンドまで押して行くのが難しい場合は、歩いてガソリンスタンドに向かい、ガソリンを補給できる携行缶を借りることも考えられます。
携行缶にガソリンを詰め過ぎると、重さで歩くことが困難になるため、ガソリンを入れる際は、ガソリンスタンドまでの距離を考慮して適切な量にしましょう。ガソリンを給油した後は携行缶をガソリンスタンドに返却する必要がありますが、携行缶をバイクの上に置くことや固定することは傷の原因となる可能性があるため、再び徒歩で携行缶を返却することが最善です。
レッカーで引っぱってもらう
ガス欠で近くにガソリンスタンドがない状況や、高速道路など歩行が困難な自動車専用道路でのトラブル時には、JAF等のロードサービスに頼って、ガソリンを届けてもらう方法もあります。
そんな時、JAFに限らずバイク保険のロードサービスが役立ちます。多くのバイク保険にはレッカーサービスが含まれており、事故や故障に限らず、ガス欠などのトラブルにも対応してもらえます。
バイク保険に加入しておくことで、いざという時に余計な出費を抑えつつ迅速な対応が受けられるため、安心してツーリングや日常の移動を楽しむことができます。
まとめ
バイクで燃料切れになった場合は、速やかに身の安全を確保し、バイクを路側帯に移動して、追突事故などを避けるための処置を取る必要があります。 安全を確保した後は、「バイクをガソリンスタンドまで押す」「ロードサービスを呼ぶ」といった方法で、燃料を補給する手段を考えましょう。